ミリ波・サブミリ波から遠赤外まで

 最近では実用化が難しいといわれていたミリ波帯までがいよいよ実用化の段階に入ろうとしています。また、衛星間通信を始めとして、自動車用ミリ波レーダ、近距離電話通信など、この周波数帯の研究は盛んに行われています。

テキスト ボックス:  固体プラズマ材料(InSb)の薄板を挿入した導波管は、サブミリ波帯の伝搬にプラズマ特有の表面遅波共振が生じ、伝搬に大きな非可逆性が現れます。この特性はサブミリ波帯アイソレータに利用できます。

サブミリ波アイソレータの研究

 サブミリ波帯の集積回路(IC)化に適した構造として、「固体プラズマイメージ線路」の可能性を検討しています。

テキスト ボックス:  サブミリ波帯サーキュレータの基礎研究として、固体プラズマを装荷したイメージ線路を伝わるサブミリ波の伝搬方向変化について検討を行っています。

サブミリ波帯サーキュレータの基礎研究

テキスト ボックス:  固体プラズマにInSbを用いると、どうしても冷却する必要があります。そこで、常温でも動作可能な固体プラズマ材料の検討を行っています。
テキスト ボックス: 常温動作可能なサブミリ波帯非可逆素子の研究
テキスト ボックス:  イメージ線路型の方向性結合器と固体プラズマを組み合わせることで、その線路の方向性や結合度を変化することが可能となります。
テキスト ボックス: サブミリ波帯特性可変方向性結合器の研究
プラズマ導波管

小武内研究室

 この周波数帯の製品がさらに一般に普及するためには、装置の小型化や、製品の低価格化も重要な要因となるでしょう。そのためには、他の周波数帯と同様に、主要な回路部品を一体化して作製する集積回路(IC)化の要望が高まると思われます。サブミリ波・THz波で動作するICを実現するには、この周波数帯に適した伝送線路、回路素子、非可逆素子の開発が重要な鍵となります。

 私たちの研究室では、ミリ波からサブミリ波・THz波帯回路素子のIC化を目指し、この周波数帯に適した各種の伝送線路や回路素子の研究を行っています。なかでも、注目しているものは固体プラズマ材料中を伝わる電磁波の非可逆な伝搬特性です。この特性は、現在用いられているフェライトが動作限界に達すると考えられるサブミリ波・THz波帯域でも動作可能であり、さらに新しい非可逆素子への応用が可能と考えられます。

 それでは、私たちの研究室で行っている研究をいくつかご紹介します。

サブミリ波帯集積回路の基礎研究

研究紹介

秋田大学工学資源学部電気電子工学科

周波数区分のイメージ図 (絵:小武内哲雄)