プラズマとは、「プラスの電気を持つ粒子とマイナスの電気を有する粒子がほぼ同じ密度で存在し、 全体として電気的にほぼ中性状態であるような粒子集団」として広く定義されています。普通の物質は固体、液体、気体のいずれかの状態ですが、プラズマはそれに並ぶ物質の状態といわれ、また宇宙の大部分はプラズマ状態であると言われています。太陽はプラズマの塊ですし、地球上で見られる稲妻や、オーロラなども自然界のプラズマです。人工的なものでは、点灯している蛍光灯やネオンサインの中に入っているガスもプラズマ状態になっています。プラズマには、気体プラズマと固体プラズマがあります。1,2)

小武内研究室

 固体プラズマは、気体プラズマと比べて、

 プラズマ密度を非常に高くすることが出来るので超高周波領域で使用できます。

 非常に小型の素子が出来ます。

 放電を使用しないため雑音が少なく状態も安定しています。

などの特徴があります。

 化合物半導体で、プラズマとして動作するためにはキャリアの移動度が高い必要があります。中でもInSbは電子の有効質量が非常に小さいため移動度が極めて高い物質として知られています。そこで私たちの研究室では、固体プラズマ材料としてn形又はp形のInSbを用いて、ミリ波、サブ ミリ波帯からTHz波帯の各種の素子について研究しています。

 

1)小沼光晴:”プラズマと成膜の基礎”,日刊工業新聞社(1986).
2)平尾孝 他:”イオン工学技術の基礎と応用”,工業調査会(1992).

研究紹介

固体プラズマ

秋田大学工学資源学部電気電子工学科

 プラズマのイメージ図 (絵:小武内哲雄)