サブミリ波レーザのモードパターンの観測8-1)
サブミリ波の光源として現在最も広く利用されているものに、光励起サブミリ波レーザが挙げられます。 このレーザを用いて実験を行う場合、サブミリ波レーザの出力や、発振周波数が安定であることが望まれま す。さらに、サブミリ波帯の伝送線路の伝搬特性や、その変化を測定する場合、サブミリ波レーザの発振横 モードが単一の基本モードで、偏向度が高く直線偏光であることが重要になります。そこで、サブミリ波レ ーザのモードパターンをなるべく簡単に観測するために、熱検出器を16個縦に並べ、横方向にゆっくりと 走査する構造の、モード検出器を作成しました。共振器間隔を変化させて行くと異なるモードと思われるい くつかの発振ピークが見られるので、それぞれについて検出された電力の分布をパソコンに取り込み表示し たものが右の図です。検出器の縦方向の分解能が悪いことや、レーザの出力が小さく不安定であるため、 はっきりとしたモードの特定は出来ませんが、一番下の図のような中央付近にピークを持つ電力分布になる 場合は、基本モードであると思われます。モードパターンが傾いていますが、これは励起光の偏光方向が傾 いていたるめです。
8-1)平成9年度卒業論文.