プラズマ・固体プラズマ 1-1, 1-2)
プラズマとは、「プラスの電気を持つ粒子とマイナスの電気を有する粒子がほぼ同じ密度で存在し、
全体として電気的にほぼ中性状態であるような粒子集団」として広く定義されています。普通の物質
は固体、液体、気体のいずれかの状態ですが、プラズマはそれに並ぶ物質の状態といわれ、また宇宙
の大部分はプラズマ状態であると言われています。太陽はプラズマの塊ですし、地球上で見られる
稲妻や、オーロラなども自然界のプラズマです。人工的なものでは、点灯している蛍光灯やネオン
サインの中に入っているガスもプラズマ状態になっています。プラズマには、気体プラズマと固体
プラズマがあります。
固体プラズマは、気体プラズマと比べて、
プラズマ密度を非常に高くすることが出来るので(1022〜1023/m3 程度)超高周波領域で使用できる。 また、縮退した状態を利用することも可能となる。
非常に小型の素子が出来る。(当研究室では数mm角で実験を行っている)
放電を使用しないため雑音が少なく状態も安定している。
などの特徴があります。化合物半導体で、プラズマとして動作するためにはキャリアの移動度が極めて高い必要があります。中でも InSb は電子の有効質量が非常に小さいため移動度が極めて高い物質として知られています。そこで私たち の研究室では、固体プラズマ材料としてn形又はp形の InSb を用いて、短ミリ波及びサブ ミリ波帯の各種の素子の可能性を研究しています。
1-1)小沼光晴:”プラズマと成膜の基礎”,日刊工業新聞社(1986).
1-2)平尾孝 他:”イオン工学技術の基礎と応用”,工業調査会(1992).