固体プラズマ材料中のプラズマ分布の測定4-1, 4-2)

密度の測定

 固体プラズマを挿入した70 GHz帯導波管の伝搬特性に関して、理論解析と実験の両面から検討を行ってきました。固体プラズマ材料に電流を印加することによりプラズマの注入を行う場合、材料中のプラズマの密度分布が実験の結果に大きく影響します。ところが、今までの理論解析は「プラズマは材料全体に一様に分布している。」という仮定の元で行ってきました。そのため理論解析と実験の間に、定性的には一致するものの定量的には合わない部分が有りました。そこで、印加する電流の値に対するプラズマの密度分布や、直流磁界の印加によるプラズマ分布の変化を測定し、解析を行っています。固体プラズマ材料としてp形InSbを用い、試料に70 GHzのミリ波を照射します。この周波数は試料のプラズマ周波数より十分低いため、プラズマができている部分は透過できず、プラズマができていない部分では透過します。実際の測定では、プラズマによる回折や、干渉が起こり単純な結果ではないので、フレネル回折による近似や、FDTD法を用いて実験値と対応させることで分布や密度を求めています。

4-1) 平成8年度卒業論文.
4-2) 平成9年度卒業論文.