電気電子工学コースの紹介

 総合エレクトロニクスデザイン能力の育成に向けて

今から100年ほど前,イギリスのJ.J.トムソンは電子(エレクトロン)の存在を実験により初めて明らかにした。 その後,電子は磁気や電磁力,さらには電波や光の発生に深く関係していることが解明され,その応用技術(エレクトロニクス)は一気に拡大した。 今やエレクトロニクス機器は,家庭を始めオフィスや工場で,あるいは通信・電力・医療・運輸・出版・金融など場所や業種を問わず広く用いられています。

実際,エレクトロニクス技術の応用範囲の広さは,他に例がありません。 サイズで言えば,小さいところではナノメートル(10-9 m)以下の原子や電子レベルのデバイス技術や量子エレクトロニクス技術から,大きいものでは数万~数千万km(109 m)におよぶ衛星通信技術や惑星間通信技術があります。 信号レベルの例では,ピコアンペア(10-12 A)の微小な生体信号計測技術から,百万ボルト(106 V)の超高電圧送電技術までと壮大なスケールです。 最近では情報技術(IT)と融合した情報エレクトロニクス(IE)と呼ばれる新たな領域も含め,これらの広大なフロンティアは熱意と意欲に溢れた若い研究者やエンジニアによって現在も開拓され続けているのです。

さて,私たちの電気電子工学コースの学生は,この多様なエレクトロニクス技術をどのようにマスターしているのでしょうか? 科学技術全般に言えることですが,対象とする事象が広くて複雑であればあるほど,基本となる考え方や法則を体系的に修得することが大事です。 同時に,それらを組み合わせて応用できるデザイン能力が必要です。 電気電子工学コースでは情報通信・電力応用・デバイス・制御システムなどの領域をカバーする総合的なエレクトロニクスデザイン能力を身につけられるカリキュラムを用意しています。

たとえば,最先端のエレクトロニクス技術の1つに,FPGA(Field Programmable Gate Array)と呼ばれるプログラム可能なLSIがあり,ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって複雑な電子回路を実現します。 卒業研究で直接それを使う学生もいますが,彼らはそれをわずか1~2ヶ月で設計できるようになります。 それは,彼らが1年生から2年生にかけて情報処理技術やプログラミング,ディジタル回路などをマスターし,3年生の創造工房実習で回路の設計および試作を経験しているからです。 そして,4年生で卒業研究にチャレンジします。 そこで研究の面白さを感じた多くの学生は大学院(博士課程を含む)へと進学し,プロフェッショナルを目指します。 各研究室では皆さんの期待に応えられるように,最先端の研究に取り組んでいます。

電気電子工学コースは,秋田駅から徒歩15分という便利な位置にありながら,周囲は緑あふれる静かな環境です。 多くの学生は通学時間が短く,かつ文化・商業施設にも近い快適な生活をエンジョイしています。 少し郊外に出れば海あり,川あり,山あり,温泉ありという豊かな自然にも恵まれています。 東京まで飛行機で1時間(新幹線「こまち」で4時間)というアクセスの良さもあり,充実した大学生活が皆さんを待っています。